くうきのいろ: 2009-07-19

2009-07-19

おさんぽの収穫

午後、整体へ 高田馬場へ。30分ほどでおわり、肩もかるくなり。

さて、どうしよか、と病院をでたすぐ横をふとみると スタバ。

レモングリーンティフラペチーノと マンゴーレモンティフラペチーノを飲みながら,ぷらぷらと目白まで歩くことにした。

高田馬場から目白までは、おっきなマンションがどーんと建ち並ぶ閑静な住宅地。
はじめはあんまりなおさんぽルートかも、といいながら、線路を脇にみながら歩いていた。
ら。

その線路の脇に沿う道は いつも通勤電車の窓から見える道だった。
目の前に 見慣れた文字が現れて はっとやっと気づいた。


「切手の博物館」


毎朝、この看板をみては、その楽しそうな響きに惹かれてでもいったい、どこからいくんだろう?と思いつづけてた まさにその場所。

思わず引き寄せられて
ふらりと中にはいった。
入館料を払おうとしながらふりかえると、横のミュージアムショップを指差す彼。
ん?と見ると
ガラスケースの中に たっくさんの外国や日本の古切手たち。

一気に、こどものころ切手集めをしてた時の気持ちがかえってきて、

うれしくてしかたなくなって、どんどん中に進んでいく。

つきあたり 壁ぎわにはテーブルに向かって背中を丸めて、熱心になにかをしている人たち。若い人もおじいさんもいる。
切手の博物館だし、あ ここで手紙をかいてるんかな?と思って そんなに気にもとめてなかった。

と、レジの前のテーブルにずらりと並んだ小冊子がみえて、ちかづいてみると。
「フランス2-2」
「アメリカ合衆国、アフガニスタン」
「アイルランド」
とかとかの 国名がマジックで書かれている。

それが数十冊、テーブルいっぱいに きれいに並べられていた。

訳わからず さっきのおじいさんのほうをみると、
何かをぺりぺりピンセットで剥がしては、どんどんトレーにいれている。
彼の前には山盛りの切手。手には小冊子。

あぁっ
これは 古切手のブックだったんだ。

小冊子をめくってみると、一枚ずつ 丁寧に貼られた 世界中の色とりどりの綺麗な切手。

一枚50円、すきなのを選んでトレーにいれてください、という係の人の説明をきいて、
ためしにみてみよう、と 一冊 フランスの冊子を持って椅子に座った。


すごかった。
今まで どこにいけば手に入るかわからなくて、
外国独特の美しい切手がコラージュしてあるポストカードを買ってきては、

スキャンして またコラージュや手芸の材料としてつかう、っていうのをしてきた。

その、ずぅっと欲しかった外国の切手が ぎっしりそこに詰まってた。
宝箱を開いたみたいに。

国ごとにぜんぜんちがう。
色合いも、紙の質感も。
フランスのは淡くやさしくふんわりした色合い。
東欧のは深くこっくりした色合いと色合わせ。

アイルランドのにはケルトの文様。

デンマークのはやっぱり北欧モダンな、ディックブルーナの世界のもの。
ドイツのは ずしんと重く厳格な雰囲気の色合い。ナチスのかぎマークだけが印字してあるものや、ヒトラーの横顔だけのものもあって、少しぞっとした。
満州国のものには日本語だけが書かれていたり。

一枚ずつ、使用済みの消印が押されていて、
この一枚一枚が もとは
世界のどこかの誰かが、
思いを綴った手紙を送ろうと買い、ぺろりと貼り、
送られた相手に届き、
届いた相手が読む、
のそのあとのものだというのを物語っていた。

その思いの詰まった切手が目の前にたくさんある不思議を思った。

世界中の郵便に等しく切手が使われているのも、不思議ではないけど、
その仕組みが 世界中の人々に当たり前になっていることのすごさを思った。


その国々、色合いや絵の構成は国ごとに独特だけど、
モチーフが似てるのがおもしろかった。
動物、草花、昆虫、魚、スポーツ、
国を越えて おなじモチーフがあった。

万人が美しい、と思うものって ここに描かれてるものなのかもしれない、と思った。

その国のその時代をあらわすものもたくさんあって。
オリンピックの記念切手、
近代化が進んでたのかなと思うような、乗り物の切手、

ベトナムの、銃を持ち子供を抱く母親の切手など。

世界中のいろんな時代を一気にぐるりと旅した気分で
閉館です のおじさんの声で 名残惜しく 博物館を後にした。


かえってから

テーブルに二人分、ぜんぶ並べてみたら、
それぞれ まさに、らしさが出てて それもまた楽しかった。

また始まっちゃいそうかも。
切手熱。