くうきのいろ: 2010-04-19

2010-04-19

土曜日の夜

幼なじみの結婚式で、土曜日から帰省。

忙しい中 空港に迎えにきてくれたお母さんの姿を見つけると、うれしくて駆け寄ってぎゅうっとした。
もう顔を見ただけで安心して ここ数日のもやもやがまた涙となって出たけど、ぐっとこらえて車に乗った。

家について早々、その幼なじみと 中学高校と通った公文の先生と6年ぶりくらいのごはんのために出かけた。
行きの電車の中で、晩ごはんのリクエストを考える。
あれもこれも、といろいろ脈絡なくあたまに浮かんだけど、
「おいなりさんと、白和えと肉じゃがが食べたいな」とメール。

たくさん話して、6時前にてくてく歩いて帰ると、
忙しいかと思いきや、お客さんはおらず、病院でふたりで話しながら待ってくれてる父さんと母さん。
「ただいまあ!」と病院に入ると、うれしそーうに顔をくしゃっとするお母さん。

お風呂に入ってすっかりのびのびして、食卓につくと、
テーブルの上にいっぱいのご馳走!
わたしの好きなものばかり。
「はい」と手渡されたお皿を見ると、なんと、なんと、鰆のこ!!!
飛び上がるほどうれしかった。
実際 飛び上がって 手をたたいてたし。
ああ、もうそんな季節なんだなあ、と思ってると、
父さんが、「母さん、この一週間、魚屋さんに日参したんでー」と。
聞くと、毎日毎日魚屋さんに鰆のこだけを求めて通ってくれては「ない…」とがっかりして帰ってきてたらしい。
それが、土曜日 奇跡的にひとつだけあって、わぁ!と買ってきてくれたんだそう。
うれしくて うれしくて、いただきますしてすぐに一切れ食べた。
じぃぃぃんとしみてくる深い深い味。
つぶがぎゅっとしっかりして、脂が乗った新鮮な味。
滋味深いとはこのことだわ、と ものすごく感動した。




ビールで乾杯して、食べ始めてしばらくして、いちばん話したかったことを聞いてもらった。

ふたりとも 口をはさまず、ひたすらうんうんと話を聞いてくれた。
いろんな想いがめぐりめぐって、泣いてしまった私に
ふたりして、全面的にわたしを応援してくれることばをくれた。
まるごと くるんで。
ふたりで口々に冗談を言いながら 笑いながら。
食卓にキラキラ金粉が舞い降りてるように見えた。

「もう 心配するな、なんにも。ゆうくんもいてくれて、さなえをしっかり理解して支えてくれようとしてるんだかたなおさら。お父さんお母さんもおるんだから、もう 心配するな。だいじょうぶ。」

この言葉の偉大さ。
ものすごい両親だ、と心底 感服した。