くうきのいろ: 2010-05-12

2010-05-12

会社で初めてのミシン

いまさら?っていう感じだけど、そういえば ほんとに会社入って 初めての会社のミシン。

今日はフリルの図案をなんとしても考えなきゃ、と昨日の夕方 リサーチにでかけた甲斐あって、朝から頭にあった形をまずは紙で形づくった。
今まで どうしてだか会社でデザイン、となると、どうしても紙上だけで、もっというと「絵」だけで終わらせようとしてきた。
そして毎回、「なんでここだとこうしちゃうんだろう?自分で自分のための服をつくるときは、あれこれ布で試行錯誤するのに。」と半分後悔、半分反省の気持ちで振り返ってた。

今日はそれが無意識にあったからなのか、でもまったくそれは意識せず、
『作りたい、かわいいものを」っていう気持ちだけが頭にあって、
だから だったら自分で『見える』形にしてみないと始まらない、と ただただ無心におもうばかりだった。

パターンの上でまずは軽くパーツパターンをひいて 紙でフリルをつくってみる。
気づくと これでもか、というほど卒コレのときにつくった、ぐるりの円をつかったパーツになってて、ひとり笑えた。
やっぱ すきなんじゃん。
ものすごい自然にそのかたちが出てきて おかしかった。

よし、これにしよう、という形ができる。

それを持って、まずは先輩に見せてみた。
「ちょっとご相談なんですけどね」というと「よこっち、部分縫いつくってみたら?」と先に言われるから
「いや、その前に、まずは紙でやってバランスみたんですけど、どうですか?」と2つ折りにしてたパターン用紙を広げると、平面のパターン用紙の上に、 ふりふりふりと波打つ紙のフリルが飛び出す絵本みたいに広がった。
それをみて、一瞬息をのんだかとおもうと 大笑いする先輩。
「のっぽさん??!!」って。
なんだか うれしかったこの瞬間。

いいじゃん、いいじゃん、と反応もよく、少しアイディアももらい、
少しパターン修正して、よし と トワルで部分縫いに移った。

トレースして、ざくざくざく、と裁ちバサミで布を切る感触。
椅子の前に座り、ミシンに向かう感覚。
こころがすうっと落ち着いていく感覚。
ギャザーを寄せて いいバランスを見つけながら フリルを配置していくときの無心。

ああ、私 今、会社にはいって初めて「つくってる」と思える、とおもった。
楽しい、と素直に思えた。

これを日常にしている聖ちゃんやしゅんちゃん、パタンナーとしてがんばってる人たち、
ああ 気持ちが豊かだ、とおもうのと同時に、彼らに尊敬の気持ちでいっぱいになった。