くうきのいろ: 2009-12-15

2009-12-15

時の積み重なり

とつぜんの、代休。

起きた瞬間が一番しあわせ。
あぁ、今日はおやすみだった、と思う瞬間。

ダウンを着て、ゆうくんをお見送り。
ついでにごみだし。

さて。と、部屋の大掃除にとりかかった。

まずは洗濯。
そのあいだに 気になってた換気扇、コンロをごしごし。
それから、一番のメイン。
ちょっとした部屋の模様替え。
パソコン付近の配置変え。

うーんうーんと気づくと悩むこと2時間弱。
悩んでいても なんにも変わらない配置。
掃除と並行してやってるから、片付けるために動かされたこまごましたものや本やらで床はいっぱい。
うわぁと気が遠くなる光景。

意を決してとりあえず思ったとおりに スキャナーやプリンターやパソコンを動かしてみる。
何度目かの置いては眺め、また動かしては眺めして、やっと決定。
この配置、気に入ってもらえるかな?ちょっと心配。

ががーっと掃除機を全体的にかけながら
床に散らかりまくってたものを全部あちらこちらにしまって やっと一段落。

ふぅー もう夕方くらいかな?と時計をみると、 なんと1時半!!
普段なら お昼を食べて帰ってきて、やっとこさ仕事の態勢に戻る時間。

一日ってながいなあ、とおもう。


お母さんに電話。
ちょうどスーパーの中でお買い物中だった。
電話のむこうで、お正月のお菓子は何がいい?ときかれて、おもわず くすくす笑いたくなった。
まだ先だよー、と言おうとしたけど、あ そっか、と気づく。
一年に何回か 数えるほどしかない、スペシャルな時のために、おかあさんはもういろいろ考えてくれてるんだ。
駆け寄ってぎゅうっとしてあげたい気持ちになる。

ふたりでいろいろあれこれ候補をあげながら ちょっと楽しくなる。
「かりんとう、いろんな種類があるよー、ほら ピーナツかりんとう、黒糖かりんとう、いろいろかりんとう…」
ひとつずつ一緒に買い物してるみたいに読み上げてくれて、
「うーんと ピーナツはちょっとなあ…やっぱり黒糖かりんとうじゃない?」
「そうよな、よし、じゃあこれにしよ」
と。

それからしばらく話をしてて、年末 ほんと帰れるようになってよかった、というと
予期せぬタイミングで、予期せぬおかあさんの涙声。

忙しくても 働けるのはほんとうにうらやましい、えらいことだ、と。
忙しいのはほんとにたいへんだけど、時間がありすぎるのも 辛いものよ、と。

日常のおかあさんを 全身で感じた瞬間だった。

いつもは、ちらっとできた時間で、思いついた時間で、短時間 電話するだけだ。
メールは毎日するけど、それはほんとにささやかな、ただの挨拶みたいなもので ほんとの空気なんて感じられない。
絵文字なんかで誤魔化されてしまう。
ただ、「今日もわすれてないよ。気にかけてるよ」そのしるしなだけだ。


今日 丸一日を、ひさしぶりにひとりっきりですごしてみてわかった。
一日がなんと長いことか。

毎日、時計をみては「あ、もうそろそろお昼だ」とか眠くなってくる時間帯とか「もうこんなじかんか!」と思う時間がある。
午後は特に「まだかなあ 早く帰りたいなあ」がねっこにはあるんだけど、それでも 全部終わってみたら、そのポイントポイントの時間は、毎日のルーティンの中ですいすいと過ぎ去ってしまったように思える。

でも、今日はいつもの倍以上の時を過ごしたような気がする。
一日とはこんなに時が積み重なってるものなのか、あまりに毎日無意識に無駄にしながらすごしてないか、ともおもった。


ただ、私の今日のおやすみは贅沢な時間だ。
ぽっかりやってきた、欲しくてほしくてしかたなかったおやすみの時間。

おかあさんのそれとは訳がちがう。
話をする相手も、特別な毎日なにかしらある楽しみさえもなく、
日々のたんたんとした時の重なりがあるだけなんだろう。

それに打ちのめされ、ぐわっと沸き上がってきたなんともいえない気持ちがあの時の涙だったんだろう。

これを毎日繰り返して、耐えながらいるんだろうか、と思うと、なんともいたたまれない気持ちになった。


電話に触感もあればいいのにな。