くうきのいろ: 2010-05-08

2010-05-08

ロバート・ハインデル展

新国立劇場のバレエを見に行ったときにもらったチラシで知った、
ロバート・ハインデル展にいってきました。

一点 一点、バレエを見尽くした人にしか描けないだろう絵だった。
背中の筋肉、首や肩の角度、手や脚の向きや位置、形、なにをとっても 圧倒的な正確さ。
写真以上に舞台やリハーサルの場の空気や、踊り手の纏う空気感、心の温度までも びいんと伝わってくる、音楽や息づかいが聴こえてくるような色彩と筆の動きの世界。

油彩っていうのは不思議だとつくづく感じた。
離れてみると、もうその額からすぐにでも抜け出てくるかのような、「見たまま」のような リアルな体の線や立体感、衣装の質感だったりするのに、じぃっと近づいてみると、さっきまで遠くからでは 動き出しそうな筋肉にみえてた筋が ただの一本のすっとした線だったり、シルクサテンのように見えていた衣装が ただの白とグレーの横殴りの線に見えたり。

細々としたところで帳尻をあわせるような描き方ではなく
そのものを見続け 愛してるからこそできる、本質の軸だけをしっかり捉えた描き方だった。


一巡し、図録を買ってから受付の方と話し込んだ。ハインデルについて いくつか教えていただいたりもした。
そして もう一回りさせてもらった。じっっくりと。

どうやったら、あんなに動きが絶え間なく流れるような景色の ”ある一瞬”を切り抜いて
あんなふうに紙に落とし込めるんだろう。
最高の躍動感と臨場感と ダンサーたちの想いを込めて。


すばらしかった。
明日までです!