くうきのいろ: 200907

2009-07-30

はじめてのどきどき

今日は はじめての、1stサンプル確認会。

こんなに胃がいたいものだとは この1年強、しらなかった。
今までは、ひたすら、サンプルが順番通りに準備できるか、とか
聞き漏れなく議事録がとれるか、とかの心配しかなくて、
でも言ってみたら 薄い責任感だけでよかった。

はじめて自分の作った洋服が、大勢の前で議論にかけられるのを聞いてるのは、うれしいよりもこわいが勝ってた。
自分とは切り離して、客観的に商品としていい悪いをみなきゃ、とは思いつつ。

やっぱり、自分の思い入れある洋服っていうのは、きちんとそのものの顔に現れる、と知った。逆もおなじ。
わたしが、「うーん....どうしたいんだろう、これ」と思ってたやつは、やっぱりきちんと落とされたし、すごく好き、と思って作った服はきちんと高評価をいただいた。

明日はフィッティング。
これからが大事なとき。
わたしの初の子たちを、きちんと「わたしがやりました」と言えるよう、
明日わたしの思いを込めて、商品として昇格していくようにつくろう。


2009-07-29

ひといき

ちょっと 気持ちがかさっとした今日の夜。

よし、と落ち着いて
生姜をきざみ、お鍋を熱して、鶏の手羽元にゆっくり焦げ目をつけていった。

何度かひっくり返しているうちに、すぅっとぎざぎざが引いていく感じがした。

2009-07-27

まよう まよう

あと数日で31日。

さて、オアシスに入るべきか、どうするべきか

なんでこんなに悩むんだろうなあ。

昔っからスポーツクラブって敷居が高かった。
3ヶ月(実質2ヶ月)で9000円、って安いはずなのにな。

投資だとおもってやってみよか。

9月から12月まで、8000円弱、払うのとか痛い痛いっておもうのは
きっと 言い訳9割にすぎない。

うー
うにゃうにゃなやんでしまうけど
そろそろ決断のとき。

2009-07-26

おさんぽのたのしみ

今日はリサーチにいくのもなんだか気が乗らなくて
夕方まで、昨日着た浴衣を洗ったり干したりしてお手入れをして過ごした。

夕方5時過ぎ。
近所まで買い物をかねて おさんぽに出る。
自転車やさんやドラッグストアにいって こまごま買う。

出る間際に、「今日は商店街でたこやきでもたべよっか」とぴん。
むしょうにうれしくなってとびはねた。

商店街で そろそろお買い物も終えた頃。
たこやきやさんの前に到着。
1つ買って、そばの石に座って、風に吹かれながら食べた。
目の前の、きっと何十年も前から変わってないであろう、パーマやさんのあやしい看板をみながら、あれやこれやいいながら。

短い一日だったけど、こんな日も またたのし。

ビールが飲みたくなって、
帰って グラスを冷凍庫にいれて冷やして乾杯した。
おいしかった。

今年初めての浴衣

毎年恒例になった、神楽坂の阿波踊り。

今年も、去年いただいた浴衣を着た。
たのしみにしてた、今年初めての浴衣。

去年はなんだかすっごく焦って着たから、
家を出る前に汗びっしょり、苦しくてぐったりになってたけど、
今年はゆったり時間をつくって、涼しい部屋の中でのんびり用意をしたから
なぜだか着付けがうまくできた。
布にはやっぱり動きたくなる方向があるんだな、と実感。
ちゃんとからだに沿わせて、余ったところはきちんとたたんで馴染ませてやるとすごく言うことをきいた。

おろしたての下駄をはいて、駅まで歩く。
ぎゅうぎゅう着た去年とは格段に違う着心地。
洋服を着てる時と なんの違いもなくて、自分が浴衣を着てることをすっかり忘れるくらい。


行く道中、ちょっと嬉しいできごとが。

電車に乗って池袋の駅で降りたとき。
「ちょっと、すみません。」
声をかけられて振り返ると、同じ電車の中でみかけたおばさま2人組。
「帯の結び方、かわいいから、ちょっと見せてもらってもいいかしら?」

えぇ、あ、はい、と返事をしながら 大汗。
どうなってるのかしら、と二人掛かりで、帯を持ち上げたりしながら結び目を見たりされるから、こんなベテランそうな方々に見られたら、どっか変なとこ見つかったりして恥ずかしいと思って 焦った焦った。
早くのがれたくて、「かたむすび2つして、そこに通しただけです」と説明すると
「あぁー、へぇー!自分でやったの?」と2人同時に覗き込まれ
はい、というと 「まあ!ほんとに自分でやったの!」と大感心されました。

すっごいすっごい緊張したけど どうやら褒められて終わったみたいで、汗がひいてからは じわぁんと嬉しさが湧いてきました。
やったぁ



2009-07-25

きょうのこ


ひさしぶりにつくりました。

朝 まちがって
普通の日とおなじ時間に目が覚めたから
ずっと 染められてスタンバイしてたのをやっと。

2009-07-23

北海道 池田町のたび_2日目_DCT garden IKEDA

起きたのは6:14。
目覚ましのなる1分前。普段ならまだもぞもぞ二度寝をするところなのに。

まだ いもむしみたにまるまって寝てるみぃ。
ビデオと写真に撮ってみる。きっと帰ったらびっくりする。ひひっ
しばらく窓の外の、朝もやのかかる景色を眺めてから
30分すぎに起こしてみると 寝てなかったかのように飛び起きた。
そのまま朝風呂へ。

朝の温泉は昨日の晩とはまた違う顔。
モール温泉、という世界にドイツと十勝川温泉にしかない湯質はとろりとしていて「美人の湯」として有名なのだそう。「化粧水のような」という説明をいろんなところでみた。
亞炭層を通ってお湯が出てくるから、植物性なんだって。
モール、っていうのはドイツ語で「植物性」。
褐色で透き通ったお湯が満ちる露天風呂に入る。
すぐそこに十勝川が流れていて、目の前には樹齢450年の樹があって、ゆったりしたきもちになって、すこしぬるめのお湯にふたりで浸かった。
みぃは昨日の晩にふしぎな垢擦りのクリームのおかげで、顔がつるっつるになった、ってうれしそうに顔を何度も撫でてた。

朝ごはんはバイキング。
どんなのかなー?とすっぴんのまま わくわくレストランに入る。
並ぶお皿をみてまわって、ふたりともかおがぴかぴか嬉しくなる。
ほとんど全部、十勝の食材を使ったおかず。
鮭の塩辛、十勝の大豆の納豆、そば粥、ふきの煮付け、甘い豆、
パンのために作られた「まぼろしの小麦」でできた小豆ロール、くるみパン、牛乳。
どれもとてもおいしかった。
知ってるバイキングより ずっとたのしくて、からだにやさしかった。
いももちのおぜんざいも初めての食感だった。
ゆっくりゆっくり味わいながら、何度か席をたっておかわりしながら、きづくと50分近くあさごはんを食べてた。

やっぱり、出どころのわかってる食材っていうのは、
からだにやさしいんだなあ、と改めて思い知った。
食べてるときの気持ちがまず違う。
味わって食べたくなる。食べ物がいとおしいものに感じる。
反省して、これからお買い物をするときは、いくら安いものがあっても、きちんと選んで からだの喜ぶものを食べよう、ときめた。
きっと継続。最初はついつい今まで通りに買いたくなるかもしれないけど、ちゃんとこのあさごはんを覚えておこう。


部屋へかえって、支度をする。
皆既日食のニュースを見ながら てきぱきと準備。
布団をきれいにあげてくれたみぃ。えらいなあ、と なんだかほかっとした。

部屋にさよならを告げ、下のラウンジでコーヒーを一杯。ホットのカフェオレ。
ゆっくり煎れてくれたからか まるい味でおいしかった。

予定通り9時にチェックアウト。全部みぃにまかせちゃった。
その間、おみやげものやさんでおみやげを買う。
昨日の夜に目をつけてた「胡麻んぞく」という胡麻クッキーの試食をふたりぶん、こっそりカバンにいれた。まるで盗んでるみたい!とおもったけど、「ご試食どうぞ」って書いてあるもん、と涼しい顔をしてみる。
ふたりで 昨日の晩に食べておいしかった鮭の塩辛を買った。
みぃは 昨日から触っては吟味してたきつねのキーホルダーを、もう一回全部触りなおして一番ふかふかの子をお買い上げ。
顔がかわいいのとしっぽがふかふかなのを ふたりで選んだ。

部屋にハムとチーズを冷蔵庫に忘れるアクシデント発生だったけど、
落ち着いて DCT garden IKEDA目指して出発。
ここだけ 運転させてもらえた。
どうしても ひろいひろい北海道を一度走ってみたかったから、夢が叶ってうれし。

10時すぎるかな、と思ってたけど、全然車がいないから すいすい進めて
到着したのは9:50。ばっちり。


11時に出なきゃいけないことを確認。
よし、1時間、みっちりみよう。
10時になり、ついた時にエプロンをしめて 準備していた館の方がドアを開けてくれた。
1番乗りのお客さん。

入るとすぐに 今回のアルバムのジャケットで着ていた黒いスーツ。
左手には 手型。
その横には、いままでの衣装がずらり。
小学校5年生の大晦日、おばあちゃんちでみんなで紅白を見ながら、
テレビの前で うわぁぁぁっと見入ってた go for it!のパッチワークの衣装がすぐそこにあった。なんだか信じられなくて、じっと じぃっと見入ってた。
あの時のおばあちゃんちの居間の空気がよみがえる。

高校2年生の夏、ひとりで行ったWDL'99の衣装が一着ずつ真空パックされてあった。
ライブの後、脳裏に焼き付いたのをどうにかして残しておきたくて、
日記帳に 下手な絵で衣装を全部描いた、その衣装たち。
すべてKEITA MARUYAMAデザイン。
色とりどりの花モチーフがつなぎあわされたドレス、
箔がはられた白いシンプルな形のワンピース、
それにはおってた青いガウン、最後に着ていた 左にドレープのある麻のワンピース。
それまで忘れてたけど、衣装を見た瞬間にあの日みた全部の光景と音と気持ちを思い出した。
すごくすごくキラキラしてみえて、どうなってるんだろう、と何度も考えてたんだった。

デビューの頃から今までの衣装が マネキンや真空パックで展示されていて
その変遷をみていて、だんだん 大人のかっこいいとかわいいが混じりあう衣装にほれぼれとした。
わたしは基本的に「かっこいい」が苦手。着るのも作るのも。
だけど、やっぱりただ「かわいい」だけだと偏りすぎて 表現しきれないことの方が多いのかも、と気づいた。
かっこいい形を かわいい素材やモチーフで味付けすることができる。
あんなにラインストーンやビジューをすてきだと思ったことは 未だかつてない。
2007年の紅白の衣装がそれをすごく表してた。
白いフロックコートに、中には白いコットンボイルのふんわりしたキャミソール。
足下はスキニーデニムと白いニーハイブーツ。
フロックコートはウエスト下で切り替わって、ゴブラン織のような生地で控えめなギャザーが寄せてあって、横からみると ふわっとしたAライン。
襟ぐりと袖口にはびっしりと重たそうなビジューが縫い付けられていた。
上半身はかっちり大人だけど、それにレースのモチーフが切り取られて立体的に縫い付けられていて、全体がもつ雰囲気はやさしく おとなのかわいらしさとかっこよさだった。

もうひとつ。
2006年の紅白の衣装。
迫力のある花の刺繍がちりばめられた、濃い蒼の打ち掛けの下にあった、白いシルクシフォンのドレス。柳龍がひらりひらりと胸から足下にかけて螺旋を描く。そのところどころにふわっふわの鳥の羽根。
ああ、これだ、とおもった。
歩くたびに きっと風をはらんで ふわりふわりと動くだろう。
軽く、でも何重もの風を。

ああ、わたしは洋服がつくれるんだった、とおもった。

ここで くまなくじぃっと見て、ああ すてきだなあ、と思ってるだけじゃなく
わたしも作れる技術は身につけてるんだった。
あとは やるか、やらないか、だ。
ただ それだけ。

お願いをしてでも踏み出さなければ
一生 後悔する。

中学3年生の、あの映画のあとみたいに、
見終わったあと、ただただ 茫然として、ちからが入らなかった。

きっと、いま、これは与えられたチャンスだ。

うごくか、うごかないか。


とかち帯広空港に向かう車の中で、
永遠につづきそうな ひろいひろい空と 緑と褐色の大地をみながら
いらない心配や雑念が洗い流されて さらりと自分の素直なところだけがでていた。
剥かれたたまごみたいに。



あまりにしあわせな二日間。
でも、このときもらった光のしっぽのおかげで
この二日間が終わる その寂しさよりも
次への光が見えた そのことに 
大きな大きなちからをもらった。



空港のレストランで豚丼とチーズケーキ半分こして
TOKACHIの字を後にしたとき、
また涙が溢れてとまらなかった。



おおきなおおきなちからを持つ地へ
この時に連れてきてくれたみぃに、
本当に本当に こころからありがとう、を想った。

2009-07-22

北海道 池田町のたび_1日目_帯広そして観月苑


ハッピネスデーリィをでて、くるまの中で話し合い。

ねえちゃん、どこ行きたい?とみぃ。

旅館の時間が気になりつつも、「帯広って... 遠い?」聞いてみた。
うーん、と考えたあと、すぐに携帯を出してどこかに電話をするみぃ。
聞いてると、旅館に電話して、チェックインの時間を変更する連絡をしてくれてた。
丁寧な言葉使い。
あぁ、と思った。
いつのまにやら、みゆきはしっかり社会人になってるんだ。
みぃはみぃだけど、外ではきっちり仕事してるんだ。
実感した。

この旅を計画するときにも、いっぱいいろんなところに直接電話して聞いて調べたりしてくれた、って聞いた。行動力が備わってた。

そうやってチェックインの時間を7時に延ばしてもらって5時半だというのに帯広に出発。
片道車で50分はかかる。
ナビの声をもとに急ぎ目で走る。

帯広は京都みたいに碁盤目状のつくりだった。
ちいさな道が縦横に。
走りにくい中、何度か行き過ぎたり見過ごしたりしながら、六花亭本店へ。
30分100円のパーキングにとめて、雨の中ダッシュ。
ざあっとみながら、バターサンドや他のこまごまおいしそうなのをかごにいれた。
30分以内目標でダッシュ。


途中で 有名だという高橋まんじゅう屋で 手作りの肉まんと大判焼きを買う。
肉まんは いかにも手作り!って感じの、皮のいびつさと中身のあっさり胡椒味がおいしかった。

ちょっと時間がせまってるから切羽詰まった様子のみぃ。
高校の名前をナビにいれて、そこから20分弱のところの高校を目指す。

木の茂った神社の奥に、高校はあった。
道にそって流れる小川の横の道沿いずうっと続く桜並木。
小学校、中学校以上に、高校がみてみたかったから、わざわざ時間押してる中連れてきてくれたことに感謝。
ここで、あの卒業の歌は作られ、歌われたんだなあ、とおもったり。
雨の中、玄関あたりにいる高校生をみて、なんだか姿をかぶらせた。


20分弱で、今日の旅館、観月苑に到着。

旅館らしい旅館に、懐かしい気持ちになる。
家族旅行で、部屋にはいった瞬間に鼻をくすぐって嬉しくなる、あの畳のにおい。
窓際に小さな机と椅子2脚。
カーネーションがいけてあった。

7時半からのごはんまで、お茶を飲んだり、おまんじゅうをたべてのんびり。
浴衣に着替えてごはんを食べにいくのも、ああ、大人になったねえ、と。

十勝の食材をたっぷりつかった和食御膳。
ふたりでテーブル向かい合わせで、小さな小鉢をちょっとずつ食べていった。
十勝豆腐がおいしかった。
テーブルに乗ってる以外にもバイキングで好きなものを選べるようになってた。
満腹、と反り返りながらもそこでも少しとって食べた。

これ以上、無理、というくらい食べて、ふたりともふんぞりかえって部屋まで戻った。

1時間くらい、テレビを見て休憩。
ちょうど、一緒に家でみてた救命病棟をしてて、また懐かしい気持ちになる。
すごいタイミング。

お風呂にいって、実感。
一緒にお風呂にまで入れる、って なにからなにまで一緒におなじことが味わえるということ。
モール温泉につかって、ぽろぽろ垢擦りができるクリームにきゃあきゃあいいながら存分に楽しんだ。

北海道 池田町のたび_1日目_ワイン城


おなかがいっぱいになって 池田町ぐるり一周へ。

みゆきのおなかの上には つねに手製の地図。
それをときどきさっとみながら、でも基本的にそのあたり一帯の地図はあたまにすっかりはいってるかのよう。

再来をでて、何個目かの角をまがるとき、一時停止で止まった右側を指差して
「ねえちゃん、図書館」とひとこと。
すごい早さであたまがめぐる。 
としょかん...っていえば いっこしかない。
と思うのと同時に「え、うそ!」というと うなづくみぃ。
ほんとにあったんだ、しかもこの町に。
小さな小さな、公民館とも間違えそうな一階建て。
おかあさんの好きな曲。
こどものころ、「おかあさん これ好き」というのを聞いて、よさがあんまりわからずに「へえ」と思ってたけど、中学生になってやっとなんとなく理解できたんだった。

一瞬のこの景色が 深く目に焼きついた。

しばらくして 突如路肩に止めて「小学校」。
右方向にまがって一直線。「ここ、中学校」。

もうこのころにはぜんぶを任してた。
入念に入念に 知らない町を、ただわたしのためだけに、隅から隅まで調べてくれて、じぶんも初めての町だというのに すいすいと車で案内してくれて。
どれだけ時間とエネルギーを費やしてくれたかが ひしひしと伝わってきてた。
そのひとつひとつがうれしかった。

花咲く大きなお庭の家をさがしてみたけど そのあたり、どこのおうちも大きくて、外国みたいな造りのすてきな家ばかりだった。
ちょっと走ればすぐに町のつきあたりに来てしまうくらいの小さな町。
シャッターが降りてるお店がたくさんでも、なぜか寂しい空気のない町。
すっぽりと空にくるまれて、むこうにある大雪山にどっしりと守られて、地面が熱を含んでる感じ。


ひとしきり町の中をみせてくれて、小高い丘の上にあるワイン城に連れてってくれた。

他に高い山がないから、遠くからでもずっとみえてた観覧車のある丘。
ワイン城こと池田町ブドウ・ブドウ酒研究所。
パンフレットをみると、すごくたのしそうなワイナリー。

ついたのが13:15くらい。
14:00からワイナリーの中を案内してくれるツアーがあって、申し込んでみた。

時間までおみやげもの売り場をぐるぐる。
有名だというばなな饅頭にひるんでみたり、ハスカップゼリーを食べてみたり。
ワインをどれにするか本気悩み。
たくさん池田町のそこで作ってるワインがあるけど味がわからず、きっとツアーの中の試飲できめれるかな、と期待をかけて保留。


14:00きっかりに、一人の男性が近づいてきた。

「はじめまして。職員の横山と申します。ご案内致しますのでよろしくお願い致します」
まわりをみても、わたしたち2人以外には誰もおらず。
おぉ!そうだったらいいね、と少し前に話してたとおりになって、こそっとはしゃぐふたり。

収穫したブドウを絞ったり、発酵させたり、という工程を実際に作ってる場所で説明してもらう。赤ワイン、白ワイン、ロゼの違い。
しらないことばかりで わかりやすくもあって 最初は緊張してたけど、すぐに馴染んだ。
赤ワインは赤いブドウの皮まで入ってるんだって。だから赤いんだって。熟成させるとおいしいのは、渋みと酸味と香りが馴染んでいくからなんだって。
白ワインは白いブドウから。皮はとりさってあんまり熟成させないから、さっぱりしてるんだって。ロゼは赤いブドウの皮をとって、あんまり熟成させないから、赤と白の間みたいなんだって。

そのあとは地下の熟成室。
そこは普通にみてたら入れない、鍵のついた扉の内側。
スパークリングワインの熟成させてるところや、それを瓶詰めするまでの工程、赤ワインが樽で眠ってる様子も間近で見せていただいた。
樽がいくつも横にも縦にもずらりと並ぶ光景なんてはじめてみた。
日本には樽職人がいないから、全部フランスから輸入してるんだって。

最後に試飲をさせてもらった。
みぃは運転だから、わたし一人だけ。
「山幸」という池田特製の赤ワイン。
飲んだ瞬間、口にぱぁっと、予想しなかったヤマブドウジュースとおんなじ酸味が広がった。
「どうですか?」ときかれ、
えっと ここで酸っぱい、とかいったら失礼だよな、あぁ でも酸っぱい以外に思いつかない...と思っていたら、口が滑って「すっぱい、です」と正直に言ってしまっていた。
「ですよねぇ!」という笑顔でいう横山さん。
間違ってなかったのかな、と不安に思ってると、どうやら間違ってなかったらしく、池田町のワインはこの酸っぱさが特徴で、だからこそテーブルワインなんだそう。
出されたチーズを食べてみて、そのあとにもう一度さっきのワインを飲むと、驚くくらい両方がおいしく感じた。こってりチーズを この酸味で洗い流す感じなんだって。

すっかりたのしくて みぃとふたりで説明ききながら あっはは たくさん笑って、ツアー終了。これが町の経営でされてるってすごい。


試飲のあと、ふたたび迷いにまよって、お母さんに白ワイン、おとうさんにチーズ、の組み合わせで発送してもらって、自分にもおみやげを吟味して買った。

私が試飲してるのをうらやましそうにみてたみぃは、
ヤマブドウのフレッシュジュースを飲みたかったみたいで、
ふたりぶん買って、車の中で飲んだ。
なぜかみぃの方にたくさん入ってた、皮のかす。でもおいしかったね。

すぐ裏手にあった ワインヤード。

つい6/11に池田中学校の3年生が植えたばかり。
彼らが成人式をむかえるときに収穫するってきいた。
まだまだ小さな苗木。
5年後、どうなってるのかな。

ワイン城を堪能して、
お昼過ぎからずっと話しては他のところで食べるのを我慢してたソフトクリームやさんへ。
ハッピネスデーリィ。
農場のなかにぽんと現れた。

他のお客さんが誰もいない。
こんにちわーとお店に入ってみると、かわいらしい女の人が迎えてくれた。

静かにまよって、私はブランデーケーキとごまきなこのアイス。
みぃはかぼちゃとくるみ。

座りたい放題の店内。ふたりで窓際に座って、ちょっとずつ交換こしながら食べた。
さっぱりしてるのにしっかり牛乳の味がした。ちょっと、アイスクリンに似てる感じ。
なんでワインはお料理にしか使わないんだろうね、と真剣にはなしをしてた。

チーズも、ハッピネスデーリィ フロマージュの方でお買い上げ。
全部試食させてくださって、それぞれ もぐもぐ おいしいやつを選んで買った。


北海道 池田町へのたび_1日目_再来へ


ハルニレをあとにして、おなかがぐうぐう止まらなくなり 池田町へ。

お昼ごはんは、「再来」へ。

わたしがワイン城のランチより、ラーメンを選んだことに少し驚くみい。
だってさ、最近ちょうど ラーメンっておいしいかも、と思い始めたところだったし。

ナビにふりまわされつつ、再来へ到着。

思った以上に小さな店構え。
静かすぎる町の中、ひっそりとたってる。
11時から開いてるのを確かめて、からからと2重扉をあけて中に。

おじさんとおばさん二人で営む、小さなラーメンやさん。
中で食べてるお客さんにじっと見られ、ラーメン屋の慣れない雰囲気に勝手に焦る。
焦る私の横で、慣れた様子のみぃ。
「あ、きめた。塩にバターいれる」とすぐに言うから、メニューより壁にかかってる写真に気をとられてた私はまた勝手にすごく焦り、「あ、じゃあ ねぇも」と口走ってた。
注文しているのを聞いて、みぃが入れてくれた水を飲みながら、しばらくしてやっと気づく。
あれ...?私、しおでよかったんかな?みそラーメンが一番好きなんじゃなかったっけ?
目の前の壁に「人気No.1 みそラーメン ランキング1位」って書いてあるのをみて、
あ、またやっちゃったのかも、と後悔。
いつもこういう注文の場にくると焦って、一番そうでもないかも、というものばっかり注文してしまう、おかしな癖。(というか思考停止)
いつ言おう(やっぱり味噌で、と)、いまかな、もう遅いかな、と思ってるうちに 着々とカウンターの中でできあがっていくラーメン。
残念、と観念して待ってると、塩ラーメンがやってきた。
めずらしい、お麩入り。

ひとくち、スープを飲んでみる。

口がびっくりした。
こんなに一口目で あたまじゃないどこかから「おいしい!」が来るラーメン、ってあったっけ?
思い出せる中で、今までおいしかったラーメンって、
小学校4年生の家族青森旅行の種差海岸で食べた海鮮のラーメンと、
専門学校のとき食べた、プリント工場の会長さんが開いてるラーメンやのラーメンだけ。
それ以上だった。
しお、というより、いちごにの味みたいに いろんなやさしい海鮮の味がした。
太麺をはじめてちゃんと食べたかも。
大盛り頼めばよかったね、といいながら あっというまに食べきった。
みぃなんて、スープを半分以上飲んでた。

カウンターの中できびきび働くおばちゃんの顔が忘れられない。
注文を受けるときも、麺をゆでてるときも、お皿を用意したり、もやしを洗ってるときも
ずぅっと ずぅっと 口角がにっとあがってて、目もやさしかった。
ほんとうに楽しそうに 旦那さんと一緒に、正確な動きですばやくラーメンを作ってた。
おいしいのの一つは このお二人がつくってるからだろう、それがまっすぐ届くんだろう、とおもうと ふんわりやさしい気持ちで満たされた。
おいしかったです、ごちそうさまでした、と笑顔が勝手にでてきて言うと
目がなくなるくらいの笑顔を返してくれた。



北海道 池田町へのたび_1日目_ハルニレの木

5:56発。
普段ならない早さの時間の電車。
意外と 通勤の人やどこへいくのかな?という人が電車に乗っててびっくり。
行きのモノレールの中で、今までなら 無意識に拒否感が出てたビル街の景色に、嫌悪感じゃなく、「ここでまた一日、働く人が経済をつくるんだなぁ。」ととんちんかんなような、でもそんな言葉で今までと違う気持ちで眺めてた。大学生の時、外国から帰ってきた電車の中で、東京がすごくグレーにみえたその景色を思い出して、そのときより肯定的な気持ちで見てることに気づいた。今はここで働く人になってしまったから、なのかも。

6:56に羽田空港に到着。
今日と明日、みぃがわたしを北海道 池田町に連れてってくれる。
二日間の弾丸ツアー。
今年のお誕生日プレゼントに、と突如、ライブのあと計画してくれた。
最初、その時期はむりだよ、と断ってたけど、みぃが誘ってくれるなんて、
しかも初めての姉妹二人旅が実現するなんて!と ごり押しでおやすみをとった。

何度 嬉しくて泣いたかわからない、7/10のお誕生日のプレゼント。
帰ってきたら家のドアに紙袋がかかってた。
あれ??と思って あけてみると、
そこにはこの旅の 手作りのしおりと手作りのケーキ。
その日から、待ちに待ってたこの日。

7:50帯広行き JAL1151.
ふたりでずぅっとにこにこ。


9:25 とかち帯広空港到着。
のすこし前。
ずっと空の上でも雲しかみえなくて、あんまり外もみてなかったんだけど
着陸態勢に入った時、ぱっと雲の下に入った瞬間。
嘘のように、映画の景色のように、外国のように、
一瞬にして眼下に広がった、たいらかな緑と小麦色の景色。
ぽつぽつ、とところどころにみえる、赤い色の屋根の家と防風林。
一面に。地球の丸さにそってるような。
今朝見たビル街がまだ頭にあったから、目がその景色にびっくりしてしまって
一瞬頭がショートしたみたいになった。

空港から外にでて、その涼しい心地よさにうれしくなる。
パーカーがきもちいい。

さっき頭がショートした景色にまだ慣れなくて
自分がそこにいることにも慣れなくて 車の助手席で ずっとすごいすごいを連発してた。


ふと みぃがにぎってるファイルをのぞく。
と、そこにはたくさんのプリントアウトされた地図と、小さなメモ。
地図には「右」「左」「斜め左」と、連れて行ってくれようとしてるところへの道筋の曲がり角ずつにメモしてある。
なんてこと、とおもった。
それを見ただけで 泣きそうになった。

ハルニレの木をさがす。
ナビにもなぜか出てなくて、みぃが事前に調べた、付近の住所を頼りに車を走らす。
へんなとこでへんなことを案内するナビにいちゃもんをつけながら近づく。

あのへんなはずだけど...というところまで来て、またうろうろ迷っていて、
ぐいっとハンドルを切った時、切る方向が行きたい反対だと気づいて
あ!というと、「いいの、どうせあとでこっちこようと思ってたし」とまるで地元民みたいなことをいうみぃ。
え?と思っていたら、十勝川の土手に車を止めて、
「これ、橋。晴れたらいいねの橋」と。


きょとん、とした。.... どういうこと?なんで知ってるん?どうやって調べたん?
目が橋に釘付けになって動けないでいると、えへと得意そうなみぃ。
だんだんあたまが溶けてきて、ついさっきかかってた曲が回り始める。
あの、小学生のころ、朝の連続テレビ小説でかかってて、家族でみてて、
初めてのアルバムを買うきっかけになった、あの曲の、あの橋。
私の中では おばあちゃんちの近くの、洪水になると流れる橋が思い浮かぶようになってた、ほんとの場所。
こどものころからみぃともよく歌ってた、その曲の場所に、
他でもない みぃが連れてきてくれたことが嬉しすぎて、
おなじ家でこどもを過ごした その空気がそこにあることも嬉しすぎて、
気づくと涙が止まらなくなってた。

ひとしきり泣いてから、
橋をわたって、ぐるりと土手沿いに走って たんぽぽの堤防を通り過ぎて
ハルニレの木への道発見。

工事のおじさんが手際よく案内してくれて 芝生に車をとめた。

だだっぴろい河川敷の草むらの中に、2本のかわいらしいハルニレの木。
ほんとにいけるのかな?といいながらも、向こうから歩いてくるカップルがいるのを見て安心して、よし と河川敷への階段を降りた。
思った以上にすごい草むら。
ふたりとも足下はサンダル。
霧雨の降る中、フードをすっぽりかぶって 草むらの中の踏まれてできてる道を進んだ。
つるんと滑りながらも ぐいぐい。どんどん木が近づいてくる。
よし あと少しで木の下へ!というところで突然道がなくなって、
木までのあと少しの距離は 腰くらいの高さの草っぱらだけ。
とりあえずそこで写真を撮ってみて、ふたりで木のとこまで行きたいねえ、とうんうん悩んだ挙げ句、ここまできたんだから あと少し!とわたしが決意。
草むらへ 数歩分け入ってみる。
と あたりからいろんな虫がふわあっと飛び立つ、目の前には毛虫、足下はつるっつるぐしょぐしょ。
断念。
くぅ
みぃはみぃで足がかゆい!と言いだし、自然と足は帰り道へ。

よくがんばったよ、うんうん よくここまで歩いた、と励ましあうふたり。

歌をうたいながら 元来た道をまたがしがし戻って 木にさよならをいった。

サンダルでがんばって 目的地のいっこ、からだじゅうで味わって大満足。


北海道のたびのかえりみちの電車から

いちから振り返りたい、とおもうけど、粒々がこまかすぎて、ひとつずつがまぶしくて、ぜんぶは無理かもなあ。

ただ一つ 確かなのは

目の前に 光のしっぽが現れた、ということ。


15歳のとき、ある映画を見て、打ちのめされたみたいに茫然として、それまでに見えなかった「こう生きたい」と「こうなりたい」がくっきりと現れて、それを実現させるために 驚くほど能動的にすらすら実行に移した。

その夢は 途中で形をかえたけど、今わたしに息づいてる。

そのときに 似てる


私は洋服を作れるんだった。


やっぱり、やりたいんだ。そうおもった。

2009-07-21

北海道の旅 4

旅館に到着しました

18:50

北海道の旅 3

今日のお昼ごはんは…

念願の再来

しおバターラーメン

北海道の旅 2

いまから飛びます!

北海道の旅

これから 飛行機にのります。

7:50発 とかち帯広空港行き

あたらしい子 もうひとり

昨日 迷ってやめた、
リコーのデジタルカメラ、CX1。

下調べからお店との交渉、値段比較、安いお店探し、そして購入まで、
苦手なところをすべてすべて彼におまかせしてしまって。

今日 帰ってきたら
ちょこんとベッドの上で
座って待ってた。


明日から わたしのもうひとりのお供。

あたらしい本

今日は、
土曜日におさんぽの末、池袋ジュンク堂で買った、燃えよ剣 上巻デビューの日。

竜馬がゆくを読み終わってから、しばらく本なし通勤が続いていて、なんとなくどこかさみしかったから、今日は ふところがほかほかあたたかい気持ちで うちを出た。

電車を待つホームから、
もう待ちきれなくて本をとりだす。

今日はiPodの音楽もなくてよかった。

読み始めると とたんに周囲の音が消えて、目の前に田舎道をがしがし浴衣姿であるく 男が浮かんだ。


やっぱり司馬遼太郎のことばはたのしい。
音楽に ひょいひょい 足を前に運ばれるみたいに すいすいどんどんぐいぐい連れていかれる。

今日からしばらく
どこへいくにもいっしょのこができて、
また好きな本ができて、
ぽかぽかうれしい。

2009-07-20

橙色の空



デジカメをさがしに新宿にいって帰り道。

今日は土用の丑の日。

小田急百貨店の地下の
うなぎの破格さに びっくりして、やっぱりいつもの街で買うことにする。

その帰り道、
わたしの課題をひとつ見つけた。

もう少し、敏感になろう。毎日 口に入れるものに。
平和ぼけなのかもしれない。

お母さんはいつも私たちに、多少高くても正しいものをと気をつけて 毎日ごはんを作ってくれてた。

きちんと 教えてくれてたのに。
おばあちゃんだって、無農薬で毎朝毎晩愛情こめて育てた野菜を私たちに食べさせてくれたのに。

それを無にするみたいだ。


無知は怖い。

自分ひとりの話じゃない。
愛する人の健康までも預かっているのに。

きちんと理解したい、と思った。


帰ってきて反省の空気の中、カメラを手に再び出ていく彼。

しばらくして帰ってきて
「ちょっと外 でてみない?」と。

出てみると
映画みたいな 焼けるような橙色と薄蒼の溶け合う空の色。

天は動いてる。

刻一刻と色を変えていく。

今日の この色の この空をいっしょに見よう、と誘ってくれたこと、
あぁ ありがとうだなぁ、と思った。


晩ごはんの鰻は
とてもおいしかった。

2009-07-19

おさんぽの収穫

午後、整体へ 高田馬場へ。30分ほどでおわり、肩もかるくなり。

さて、どうしよか、と病院をでたすぐ横をふとみると スタバ。

レモングリーンティフラペチーノと マンゴーレモンティフラペチーノを飲みながら,ぷらぷらと目白まで歩くことにした。

高田馬場から目白までは、おっきなマンションがどーんと建ち並ぶ閑静な住宅地。
はじめはあんまりなおさんぽルートかも、といいながら、線路を脇にみながら歩いていた。
ら。

その線路の脇に沿う道は いつも通勤電車の窓から見える道だった。
目の前に 見慣れた文字が現れて はっとやっと気づいた。


「切手の博物館」


毎朝、この看板をみては、その楽しそうな響きに惹かれてでもいったい、どこからいくんだろう?と思いつづけてた まさにその場所。

思わず引き寄せられて
ふらりと中にはいった。
入館料を払おうとしながらふりかえると、横のミュージアムショップを指差す彼。
ん?と見ると
ガラスケースの中に たっくさんの外国や日本の古切手たち。

一気に、こどものころ切手集めをしてた時の気持ちがかえってきて、

うれしくてしかたなくなって、どんどん中に進んでいく。

つきあたり 壁ぎわにはテーブルに向かって背中を丸めて、熱心になにかをしている人たち。若い人もおじいさんもいる。
切手の博物館だし、あ ここで手紙をかいてるんかな?と思って そんなに気にもとめてなかった。

と、レジの前のテーブルにずらりと並んだ小冊子がみえて、ちかづいてみると。
「フランス2-2」
「アメリカ合衆国、アフガニスタン」
「アイルランド」
とかとかの 国名がマジックで書かれている。

それが数十冊、テーブルいっぱいに きれいに並べられていた。

訳わからず さっきのおじいさんのほうをみると、
何かをぺりぺりピンセットで剥がしては、どんどんトレーにいれている。
彼の前には山盛りの切手。手には小冊子。

あぁっ
これは 古切手のブックだったんだ。

小冊子をめくってみると、一枚ずつ 丁寧に貼られた 世界中の色とりどりの綺麗な切手。

一枚50円、すきなのを選んでトレーにいれてください、という係の人の説明をきいて、
ためしにみてみよう、と 一冊 フランスの冊子を持って椅子に座った。


すごかった。
今まで どこにいけば手に入るかわからなくて、
外国独特の美しい切手がコラージュしてあるポストカードを買ってきては、

スキャンして またコラージュや手芸の材料としてつかう、っていうのをしてきた。

その、ずぅっと欲しかった外国の切手が ぎっしりそこに詰まってた。
宝箱を開いたみたいに。

国ごとにぜんぜんちがう。
色合いも、紙の質感も。
フランスのは淡くやさしくふんわりした色合い。
東欧のは深くこっくりした色合いと色合わせ。

アイルランドのにはケルトの文様。

デンマークのはやっぱり北欧モダンな、ディックブルーナの世界のもの。
ドイツのは ずしんと重く厳格な雰囲気の色合い。ナチスのかぎマークだけが印字してあるものや、ヒトラーの横顔だけのものもあって、少しぞっとした。
満州国のものには日本語だけが書かれていたり。

一枚ずつ、使用済みの消印が押されていて、
この一枚一枚が もとは
世界のどこかの誰かが、
思いを綴った手紙を送ろうと買い、ぺろりと貼り、
送られた相手に届き、
届いた相手が読む、
のそのあとのものだというのを物語っていた。

その思いの詰まった切手が目の前にたくさんある不思議を思った。

世界中の郵便に等しく切手が使われているのも、不思議ではないけど、
その仕組みが 世界中の人々に当たり前になっていることのすごさを思った。


その国々、色合いや絵の構成は国ごとに独特だけど、
モチーフが似てるのがおもしろかった。
動物、草花、昆虫、魚、スポーツ、
国を越えて おなじモチーフがあった。

万人が美しい、と思うものって ここに描かれてるものなのかもしれない、と思った。

その国のその時代をあらわすものもたくさんあって。
オリンピックの記念切手、
近代化が進んでたのかなと思うような、乗り物の切手、

ベトナムの、銃を持ち子供を抱く母親の切手など。

世界中のいろんな時代を一気にぐるりと旅した気分で
閉館です のおじさんの声で 名残惜しく 博物館を後にした。


かえってから

テーブルに二人分、ぜんぶ並べてみたら、
それぞれ まさに、らしさが出てて それもまた楽しかった。

また始まっちゃいそうかも。
切手熱。

2009-07-18

ありがとう

sneeuwの1st collection

一着ずつ 吊られ、ならんでる姿は とても せいちゃんらしく
ただしく すがすがしい、クリーンな雰囲気。

専門学校1年生、初日にクラスで自己紹介をしあったときの光景を
なぜか鮮明におもいだした。
あのときから せいちゃんは「自分のブランドをもちます」と
クラスの中で唯一はっきりと言ってた。
そのあとも なにがあろうと揺らがず、芯はぶらさずいた。
そして 昨日。
それがほんとうになった姿は とてもとてもかっこよかった。

suphyの音楽を聴きながら
せいちゃんの トレードマークの 短い髪の毛と、
すっと伸びる細い首筋を うしろからみていたら、
いろんな いままでの景色がぐるぐる巡りながら迫ってきて
くぅっと涙がでそうになった。

きちんと じぶんの思いをめいっぱい ものに託し
それがしっかり人に伝わってる、
それを成し遂げたせいちゃんを ほんとにかっこいい、とおもった。

すごくいい時間を ありがとう。
わたしもがんばろう、とすなおにおもった。