くうきのいろ: 2009-07-22

2009-07-22

北海道 池田町のたび_1日目_帯広そして観月苑


ハッピネスデーリィをでて、くるまの中で話し合い。

ねえちゃん、どこ行きたい?とみぃ。

旅館の時間が気になりつつも、「帯広って... 遠い?」聞いてみた。
うーん、と考えたあと、すぐに携帯を出してどこかに電話をするみぃ。
聞いてると、旅館に電話して、チェックインの時間を変更する連絡をしてくれてた。
丁寧な言葉使い。
あぁ、と思った。
いつのまにやら、みゆきはしっかり社会人になってるんだ。
みぃはみぃだけど、外ではきっちり仕事してるんだ。
実感した。

この旅を計画するときにも、いっぱいいろんなところに直接電話して聞いて調べたりしてくれた、って聞いた。行動力が備わってた。

そうやってチェックインの時間を7時に延ばしてもらって5時半だというのに帯広に出発。
片道車で50分はかかる。
ナビの声をもとに急ぎ目で走る。

帯広は京都みたいに碁盤目状のつくりだった。
ちいさな道が縦横に。
走りにくい中、何度か行き過ぎたり見過ごしたりしながら、六花亭本店へ。
30分100円のパーキングにとめて、雨の中ダッシュ。
ざあっとみながら、バターサンドや他のこまごまおいしそうなのをかごにいれた。
30分以内目標でダッシュ。


途中で 有名だという高橋まんじゅう屋で 手作りの肉まんと大判焼きを買う。
肉まんは いかにも手作り!って感じの、皮のいびつさと中身のあっさり胡椒味がおいしかった。

ちょっと時間がせまってるから切羽詰まった様子のみぃ。
高校の名前をナビにいれて、そこから20分弱のところの高校を目指す。

木の茂った神社の奥に、高校はあった。
道にそって流れる小川の横の道沿いずうっと続く桜並木。
小学校、中学校以上に、高校がみてみたかったから、わざわざ時間押してる中連れてきてくれたことに感謝。
ここで、あの卒業の歌は作られ、歌われたんだなあ、とおもったり。
雨の中、玄関あたりにいる高校生をみて、なんだか姿をかぶらせた。


20分弱で、今日の旅館、観月苑に到着。

旅館らしい旅館に、懐かしい気持ちになる。
家族旅行で、部屋にはいった瞬間に鼻をくすぐって嬉しくなる、あの畳のにおい。
窓際に小さな机と椅子2脚。
カーネーションがいけてあった。

7時半からのごはんまで、お茶を飲んだり、おまんじゅうをたべてのんびり。
浴衣に着替えてごはんを食べにいくのも、ああ、大人になったねえ、と。

十勝の食材をたっぷりつかった和食御膳。
ふたりでテーブル向かい合わせで、小さな小鉢をちょっとずつ食べていった。
十勝豆腐がおいしかった。
テーブルに乗ってる以外にもバイキングで好きなものを選べるようになってた。
満腹、と反り返りながらもそこでも少しとって食べた。

これ以上、無理、というくらい食べて、ふたりともふんぞりかえって部屋まで戻った。

1時間くらい、テレビを見て休憩。
ちょうど、一緒に家でみてた救命病棟をしてて、また懐かしい気持ちになる。
すごいタイミング。

お風呂にいって、実感。
一緒にお風呂にまで入れる、って なにからなにまで一緒におなじことが味わえるということ。
モール温泉につかって、ぽろぽろ垢擦りができるクリームにきゃあきゃあいいながら存分に楽しんだ。

北海道 池田町のたび_1日目_ワイン城


おなかがいっぱいになって 池田町ぐるり一周へ。

みゆきのおなかの上には つねに手製の地図。
それをときどきさっとみながら、でも基本的にそのあたり一帯の地図はあたまにすっかりはいってるかのよう。

再来をでて、何個目かの角をまがるとき、一時停止で止まった右側を指差して
「ねえちゃん、図書館」とひとこと。
すごい早さであたまがめぐる。 
としょかん...っていえば いっこしかない。
と思うのと同時に「え、うそ!」というと うなづくみぃ。
ほんとにあったんだ、しかもこの町に。
小さな小さな、公民館とも間違えそうな一階建て。
おかあさんの好きな曲。
こどものころ、「おかあさん これ好き」というのを聞いて、よさがあんまりわからずに「へえ」と思ってたけど、中学生になってやっとなんとなく理解できたんだった。

一瞬のこの景色が 深く目に焼きついた。

しばらくして 突如路肩に止めて「小学校」。
右方向にまがって一直線。「ここ、中学校」。

もうこのころにはぜんぶを任してた。
入念に入念に 知らない町を、ただわたしのためだけに、隅から隅まで調べてくれて、じぶんも初めての町だというのに すいすいと車で案内してくれて。
どれだけ時間とエネルギーを費やしてくれたかが ひしひしと伝わってきてた。
そのひとつひとつがうれしかった。

花咲く大きなお庭の家をさがしてみたけど そのあたり、どこのおうちも大きくて、外国みたいな造りのすてきな家ばかりだった。
ちょっと走ればすぐに町のつきあたりに来てしまうくらいの小さな町。
シャッターが降りてるお店がたくさんでも、なぜか寂しい空気のない町。
すっぽりと空にくるまれて、むこうにある大雪山にどっしりと守られて、地面が熱を含んでる感じ。


ひとしきり町の中をみせてくれて、小高い丘の上にあるワイン城に連れてってくれた。

他に高い山がないから、遠くからでもずっとみえてた観覧車のある丘。
ワイン城こと池田町ブドウ・ブドウ酒研究所。
パンフレットをみると、すごくたのしそうなワイナリー。

ついたのが13:15くらい。
14:00からワイナリーの中を案内してくれるツアーがあって、申し込んでみた。

時間までおみやげもの売り場をぐるぐる。
有名だというばなな饅頭にひるんでみたり、ハスカップゼリーを食べてみたり。
ワインをどれにするか本気悩み。
たくさん池田町のそこで作ってるワインがあるけど味がわからず、きっとツアーの中の試飲できめれるかな、と期待をかけて保留。


14:00きっかりに、一人の男性が近づいてきた。

「はじめまして。職員の横山と申します。ご案内致しますのでよろしくお願い致します」
まわりをみても、わたしたち2人以外には誰もおらず。
おぉ!そうだったらいいね、と少し前に話してたとおりになって、こそっとはしゃぐふたり。

収穫したブドウを絞ったり、発酵させたり、という工程を実際に作ってる場所で説明してもらう。赤ワイン、白ワイン、ロゼの違い。
しらないことばかりで わかりやすくもあって 最初は緊張してたけど、すぐに馴染んだ。
赤ワインは赤いブドウの皮まで入ってるんだって。だから赤いんだって。熟成させるとおいしいのは、渋みと酸味と香りが馴染んでいくからなんだって。
白ワインは白いブドウから。皮はとりさってあんまり熟成させないから、さっぱりしてるんだって。ロゼは赤いブドウの皮をとって、あんまり熟成させないから、赤と白の間みたいなんだって。

そのあとは地下の熟成室。
そこは普通にみてたら入れない、鍵のついた扉の内側。
スパークリングワインの熟成させてるところや、それを瓶詰めするまでの工程、赤ワインが樽で眠ってる様子も間近で見せていただいた。
樽がいくつも横にも縦にもずらりと並ぶ光景なんてはじめてみた。
日本には樽職人がいないから、全部フランスから輸入してるんだって。

最後に試飲をさせてもらった。
みぃは運転だから、わたし一人だけ。
「山幸」という池田特製の赤ワイン。
飲んだ瞬間、口にぱぁっと、予想しなかったヤマブドウジュースとおんなじ酸味が広がった。
「どうですか?」ときかれ、
えっと ここで酸っぱい、とかいったら失礼だよな、あぁ でも酸っぱい以外に思いつかない...と思っていたら、口が滑って「すっぱい、です」と正直に言ってしまっていた。
「ですよねぇ!」という笑顔でいう横山さん。
間違ってなかったのかな、と不安に思ってると、どうやら間違ってなかったらしく、池田町のワインはこの酸っぱさが特徴で、だからこそテーブルワインなんだそう。
出されたチーズを食べてみて、そのあとにもう一度さっきのワインを飲むと、驚くくらい両方がおいしく感じた。こってりチーズを この酸味で洗い流す感じなんだって。

すっかりたのしくて みぃとふたりで説明ききながら あっはは たくさん笑って、ツアー終了。これが町の経営でされてるってすごい。


試飲のあと、ふたたび迷いにまよって、お母さんに白ワイン、おとうさんにチーズ、の組み合わせで発送してもらって、自分にもおみやげを吟味して買った。

私が試飲してるのをうらやましそうにみてたみぃは、
ヤマブドウのフレッシュジュースを飲みたかったみたいで、
ふたりぶん買って、車の中で飲んだ。
なぜかみぃの方にたくさん入ってた、皮のかす。でもおいしかったね。

すぐ裏手にあった ワインヤード。

つい6/11に池田中学校の3年生が植えたばかり。
彼らが成人式をむかえるときに収穫するってきいた。
まだまだ小さな苗木。
5年後、どうなってるのかな。

ワイン城を堪能して、
お昼過ぎからずっと話しては他のところで食べるのを我慢してたソフトクリームやさんへ。
ハッピネスデーリィ。
農場のなかにぽんと現れた。

他のお客さんが誰もいない。
こんにちわーとお店に入ってみると、かわいらしい女の人が迎えてくれた。

静かにまよって、私はブランデーケーキとごまきなこのアイス。
みぃはかぼちゃとくるみ。

座りたい放題の店内。ふたりで窓際に座って、ちょっとずつ交換こしながら食べた。
さっぱりしてるのにしっかり牛乳の味がした。ちょっと、アイスクリンに似てる感じ。
なんでワインはお料理にしか使わないんだろうね、と真剣にはなしをしてた。

チーズも、ハッピネスデーリィ フロマージュの方でお買い上げ。
全部試食させてくださって、それぞれ もぐもぐ おいしいやつを選んで買った。


北海道 池田町へのたび_1日目_再来へ


ハルニレをあとにして、おなかがぐうぐう止まらなくなり 池田町へ。

お昼ごはんは、「再来」へ。

わたしがワイン城のランチより、ラーメンを選んだことに少し驚くみい。
だってさ、最近ちょうど ラーメンっておいしいかも、と思い始めたところだったし。

ナビにふりまわされつつ、再来へ到着。

思った以上に小さな店構え。
静かすぎる町の中、ひっそりとたってる。
11時から開いてるのを確かめて、からからと2重扉をあけて中に。

おじさんとおばさん二人で営む、小さなラーメンやさん。
中で食べてるお客さんにじっと見られ、ラーメン屋の慣れない雰囲気に勝手に焦る。
焦る私の横で、慣れた様子のみぃ。
「あ、きめた。塩にバターいれる」とすぐに言うから、メニューより壁にかかってる写真に気をとられてた私はまた勝手にすごく焦り、「あ、じゃあ ねぇも」と口走ってた。
注文しているのを聞いて、みぃが入れてくれた水を飲みながら、しばらくしてやっと気づく。
あれ...?私、しおでよかったんかな?みそラーメンが一番好きなんじゃなかったっけ?
目の前の壁に「人気No.1 みそラーメン ランキング1位」って書いてあるのをみて、
あ、またやっちゃったのかも、と後悔。
いつもこういう注文の場にくると焦って、一番そうでもないかも、というものばっかり注文してしまう、おかしな癖。(というか思考停止)
いつ言おう(やっぱり味噌で、と)、いまかな、もう遅いかな、と思ってるうちに 着々とカウンターの中でできあがっていくラーメン。
残念、と観念して待ってると、塩ラーメンがやってきた。
めずらしい、お麩入り。

ひとくち、スープを飲んでみる。

口がびっくりした。
こんなに一口目で あたまじゃないどこかから「おいしい!」が来るラーメン、ってあったっけ?
思い出せる中で、今までおいしかったラーメンって、
小学校4年生の家族青森旅行の種差海岸で食べた海鮮のラーメンと、
専門学校のとき食べた、プリント工場の会長さんが開いてるラーメンやのラーメンだけ。
それ以上だった。
しお、というより、いちごにの味みたいに いろんなやさしい海鮮の味がした。
太麺をはじめてちゃんと食べたかも。
大盛り頼めばよかったね、といいながら あっというまに食べきった。
みぃなんて、スープを半分以上飲んでた。

カウンターの中できびきび働くおばちゃんの顔が忘れられない。
注文を受けるときも、麺をゆでてるときも、お皿を用意したり、もやしを洗ってるときも
ずぅっと ずぅっと 口角がにっとあがってて、目もやさしかった。
ほんとうに楽しそうに 旦那さんと一緒に、正確な動きですばやくラーメンを作ってた。
おいしいのの一つは このお二人がつくってるからだろう、それがまっすぐ届くんだろう、とおもうと ふんわりやさしい気持ちで満たされた。
おいしかったです、ごちそうさまでした、と笑顔が勝手にでてきて言うと
目がなくなるくらいの笑顔を返してくれた。



北海道 池田町へのたび_1日目_ハルニレの木

5:56発。
普段ならない早さの時間の電車。
意外と 通勤の人やどこへいくのかな?という人が電車に乗っててびっくり。
行きのモノレールの中で、今までなら 無意識に拒否感が出てたビル街の景色に、嫌悪感じゃなく、「ここでまた一日、働く人が経済をつくるんだなぁ。」ととんちんかんなような、でもそんな言葉で今までと違う気持ちで眺めてた。大学生の時、外国から帰ってきた電車の中で、東京がすごくグレーにみえたその景色を思い出して、そのときより肯定的な気持ちで見てることに気づいた。今はここで働く人になってしまったから、なのかも。

6:56に羽田空港に到着。
今日と明日、みぃがわたしを北海道 池田町に連れてってくれる。
二日間の弾丸ツアー。
今年のお誕生日プレゼントに、と突如、ライブのあと計画してくれた。
最初、その時期はむりだよ、と断ってたけど、みぃが誘ってくれるなんて、
しかも初めての姉妹二人旅が実現するなんて!と ごり押しでおやすみをとった。

何度 嬉しくて泣いたかわからない、7/10のお誕生日のプレゼント。
帰ってきたら家のドアに紙袋がかかってた。
あれ??と思って あけてみると、
そこにはこの旅の 手作りのしおりと手作りのケーキ。
その日から、待ちに待ってたこの日。

7:50帯広行き JAL1151.
ふたりでずぅっとにこにこ。


9:25 とかち帯広空港到着。
のすこし前。
ずっと空の上でも雲しかみえなくて、あんまり外もみてなかったんだけど
着陸態勢に入った時、ぱっと雲の下に入った瞬間。
嘘のように、映画の景色のように、外国のように、
一瞬にして眼下に広がった、たいらかな緑と小麦色の景色。
ぽつぽつ、とところどころにみえる、赤い色の屋根の家と防風林。
一面に。地球の丸さにそってるような。
今朝見たビル街がまだ頭にあったから、目がその景色にびっくりしてしまって
一瞬頭がショートしたみたいになった。

空港から外にでて、その涼しい心地よさにうれしくなる。
パーカーがきもちいい。

さっき頭がショートした景色にまだ慣れなくて
自分がそこにいることにも慣れなくて 車の助手席で ずっとすごいすごいを連発してた。


ふと みぃがにぎってるファイルをのぞく。
と、そこにはたくさんのプリントアウトされた地図と、小さなメモ。
地図には「右」「左」「斜め左」と、連れて行ってくれようとしてるところへの道筋の曲がり角ずつにメモしてある。
なんてこと、とおもった。
それを見ただけで 泣きそうになった。

ハルニレの木をさがす。
ナビにもなぜか出てなくて、みぃが事前に調べた、付近の住所を頼りに車を走らす。
へんなとこでへんなことを案内するナビにいちゃもんをつけながら近づく。

あのへんなはずだけど...というところまで来て、またうろうろ迷っていて、
ぐいっとハンドルを切った時、切る方向が行きたい反対だと気づいて
あ!というと、「いいの、どうせあとでこっちこようと思ってたし」とまるで地元民みたいなことをいうみぃ。
え?と思っていたら、十勝川の土手に車を止めて、
「これ、橋。晴れたらいいねの橋」と。


きょとん、とした。.... どういうこと?なんで知ってるん?どうやって調べたん?
目が橋に釘付けになって動けないでいると、えへと得意そうなみぃ。
だんだんあたまが溶けてきて、ついさっきかかってた曲が回り始める。
あの、小学生のころ、朝の連続テレビ小説でかかってて、家族でみてて、
初めてのアルバムを買うきっかけになった、あの曲の、あの橋。
私の中では おばあちゃんちの近くの、洪水になると流れる橋が思い浮かぶようになってた、ほんとの場所。
こどものころからみぃともよく歌ってた、その曲の場所に、
他でもない みぃが連れてきてくれたことが嬉しすぎて、
おなじ家でこどもを過ごした その空気がそこにあることも嬉しすぎて、
気づくと涙が止まらなくなってた。

ひとしきり泣いてから、
橋をわたって、ぐるりと土手沿いに走って たんぽぽの堤防を通り過ぎて
ハルニレの木への道発見。

工事のおじさんが手際よく案内してくれて 芝生に車をとめた。

だだっぴろい河川敷の草むらの中に、2本のかわいらしいハルニレの木。
ほんとにいけるのかな?といいながらも、向こうから歩いてくるカップルがいるのを見て安心して、よし と河川敷への階段を降りた。
思った以上にすごい草むら。
ふたりとも足下はサンダル。
霧雨の降る中、フードをすっぽりかぶって 草むらの中の踏まれてできてる道を進んだ。
つるんと滑りながらも ぐいぐい。どんどん木が近づいてくる。
よし あと少しで木の下へ!というところで突然道がなくなって、
木までのあと少しの距離は 腰くらいの高さの草っぱらだけ。
とりあえずそこで写真を撮ってみて、ふたりで木のとこまで行きたいねえ、とうんうん悩んだ挙げ句、ここまできたんだから あと少し!とわたしが決意。
草むらへ 数歩分け入ってみる。
と あたりからいろんな虫がふわあっと飛び立つ、目の前には毛虫、足下はつるっつるぐしょぐしょ。
断念。
くぅ
みぃはみぃで足がかゆい!と言いだし、自然と足は帰り道へ。

よくがんばったよ、うんうん よくここまで歩いた、と励ましあうふたり。

歌をうたいながら 元来た道をまたがしがし戻って 木にさよならをいった。

サンダルでがんばって 目的地のいっこ、からだじゅうで味わって大満足。


北海道のたびのかえりみちの電車から

いちから振り返りたい、とおもうけど、粒々がこまかすぎて、ひとつずつがまぶしくて、ぜんぶは無理かもなあ。

ただ一つ 確かなのは

目の前に 光のしっぽが現れた、ということ。


15歳のとき、ある映画を見て、打ちのめされたみたいに茫然として、それまでに見えなかった「こう生きたい」と「こうなりたい」がくっきりと現れて、それを実現させるために 驚くほど能動的にすらすら実行に移した。

その夢は 途中で形をかえたけど、今わたしに息づいてる。

そのときに 似てる


私は洋服を作れるんだった。


やっぱり、やりたいんだ。そうおもった。