くうきのいろ: 北海道 池田町へのたび_1日目_ハルニレの木

2009-07-22

北海道 池田町へのたび_1日目_ハルニレの木

5:56発。
普段ならない早さの時間の電車。
意外と 通勤の人やどこへいくのかな?という人が電車に乗っててびっくり。
行きのモノレールの中で、今までなら 無意識に拒否感が出てたビル街の景色に、嫌悪感じゃなく、「ここでまた一日、働く人が経済をつくるんだなぁ。」ととんちんかんなような、でもそんな言葉で今までと違う気持ちで眺めてた。大学生の時、外国から帰ってきた電車の中で、東京がすごくグレーにみえたその景色を思い出して、そのときより肯定的な気持ちで見てることに気づいた。今はここで働く人になってしまったから、なのかも。

6:56に羽田空港に到着。
今日と明日、みぃがわたしを北海道 池田町に連れてってくれる。
二日間の弾丸ツアー。
今年のお誕生日プレゼントに、と突如、ライブのあと計画してくれた。
最初、その時期はむりだよ、と断ってたけど、みぃが誘ってくれるなんて、
しかも初めての姉妹二人旅が実現するなんて!と ごり押しでおやすみをとった。

何度 嬉しくて泣いたかわからない、7/10のお誕生日のプレゼント。
帰ってきたら家のドアに紙袋がかかってた。
あれ??と思って あけてみると、
そこにはこの旅の 手作りのしおりと手作りのケーキ。
その日から、待ちに待ってたこの日。

7:50帯広行き JAL1151.
ふたりでずぅっとにこにこ。


9:25 とかち帯広空港到着。
のすこし前。
ずっと空の上でも雲しかみえなくて、あんまり外もみてなかったんだけど
着陸態勢に入った時、ぱっと雲の下に入った瞬間。
嘘のように、映画の景色のように、外国のように、
一瞬にして眼下に広がった、たいらかな緑と小麦色の景色。
ぽつぽつ、とところどころにみえる、赤い色の屋根の家と防風林。
一面に。地球の丸さにそってるような。
今朝見たビル街がまだ頭にあったから、目がその景色にびっくりしてしまって
一瞬頭がショートしたみたいになった。

空港から外にでて、その涼しい心地よさにうれしくなる。
パーカーがきもちいい。

さっき頭がショートした景色にまだ慣れなくて
自分がそこにいることにも慣れなくて 車の助手席で ずっとすごいすごいを連発してた。


ふと みぃがにぎってるファイルをのぞく。
と、そこにはたくさんのプリントアウトされた地図と、小さなメモ。
地図には「右」「左」「斜め左」と、連れて行ってくれようとしてるところへの道筋の曲がり角ずつにメモしてある。
なんてこと、とおもった。
それを見ただけで 泣きそうになった。

ハルニレの木をさがす。
ナビにもなぜか出てなくて、みぃが事前に調べた、付近の住所を頼りに車を走らす。
へんなとこでへんなことを案内するナビにいちゃもんをつけながら近づく。

あのへんなはずだけど...というところまで来て、またうろうろ迷っていて、
ぐいっとハンドルを切った時、切る方向が行きたい反対だと気づいて
あ!というと、「いいの、どうせあとでこっちこようと思ってたし」とまるで地元民みたいなことをいうみぃ。
え?と思っていたら、十勝川の土手に車を止めて、
「これ、橋。晴れたらいいねの橋」と。


きょとん、とした。.... どういうこと?なんで知ってるん?どうやって調べたん?
目が橋に釘付けになって動けないでいると、えへと得意そうなみぃ。
だんだんあたまが溶けてきて、ついさっきかかってた曲が回り始める。
あの、小学生のころ、朝の連続テレビ小説でかかってて、家族でみてて、
初めてのアルバムを買うきっかけになった、あの曲の、あの橋。
私の中では おばあちゃんちの近くの、洪水になると流れる橋が思い浮かぶようになってた、ほんとの場所。
こどものころからみぃともよく歌ってた、その曲の場所に、
他でもない みぃが連れてきてくれたことが嬉しすぎて、
おなじ家でこどもを過ごした その空気がそこにあることも嬉しすぎて、
気づくと涙が止まらなくなってた。

ひとしきり泣いてから、
橋をわたって、ぐるりと土手沿いに走って たんぽぽの堤防を通り過ぎて
ハルニレの木への道発見。

工事のおじさんが手際よく案内してくれて 芝生に車をとめた。

だだっぴろい河川敷の草むらの中に、2本のかわいらしいハルニレの木。
ほんとにいけるのかな?といいながらも、向こうから歩いてくるカップルがいるのを見て安心して、よし と河川敷への階段を降りた。
思った以上にすごい草むら。
ふたりとも足下はサンダル。
霧雨の降る中、フードをすっぽりかぶって 草むらの中の踏まれてできてる道を進んだ。
つるんと滑りながらも ぐいぐい。どんどん木が近づいてくる。
よし あと少しで木の下へ!というところで突然道がなくなって、
木までのあと少しの距離は 腰くらいの高さの草っぱらだけ。
とりあえずそこで写真を撮ってみて、ふたりで木のとこまで行きたいねえ、とうんうん悩んだ挙げ句、ここまできたんだから あと少し!とわたしが決意。
草むらへ 数歩分け入ってみる。
と あたりからいろんな虫がふわあっと飛び立つ、目の前には毛虫、足下はつるっつるぐしょぐしょ。
断念。
くぅ
みぃはみぃで足がかゆい!と言いだし、自然と足は帰り道へ。

よくがんばったよ、うんうん よくここまで歩いた、と励ましあうふたり。

歌をうたいながら 元来た道をまたがしがし戻って 木にさよならをいった。

サンダルでがんばって 目的地のいっこ、からだじゅうで味わって大満足。


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