くうきのいろ: 2010-02-23

2010-02-23

フィッティング1日目おわり

朝から みんなぴりぴり。
ふだんなら9時すぎてからでもくるチームの人も、8時半には自然と集まっていた。

今日はフィッティング1日目。
Tシャツ、フリース、はおりものの予定。

先週、社長へのプレゼンの前日の夜中に 何時間もかけて、
みんなで意識を共有しあって 相違ないように商売の軸を組み立てたはずだったのに、
プレゼンのあと、週末あけて出てみたら、MDからはなんの説明も受けず、あれだけ「いいね!売れるね!」となってたはずのものが、ばっさりどっさり DROPされていた。
全体に会議の結果を知らせるミーティングのとき、「これは出さないから」という一言だけで、
生まれるはずだったかわいい子たちが ラックにかけられたまま 隅においやられていた。

デザイナー4人で憤っても、商売を司るMDの決めたことをやすやすと覆すことはできないはがゆさ。
どれだけの時間と労力と想いを込めて、その商品を作ってきたことか。

今日のフィッティングはそんなふうに抜かれ、生き残った子たちのフィッティングだった。

私が担当していたものも大幅カットになり、だからこそ、一生懸命さが増した。

今回は、今までのフィッティングとは少し違っていた。
自分自身 見なくてはいけないポイントが少し前回よりかは明確になっていたし、
なにより、周りが私を「担当者」として見ていた。
今までは 企画書をわたしが担当していたとしても、やっぱり私だけでは全然力不足だから先輩たちがかわりにあれこれとパタンナーさんに指示を出して下さっていたけど、今回はわたしが持つ品番がやってくると、すっと身を引いて そばから時折意見をいうにとどまっていた。

最初とまどい、でもすぐに、気持ちを改め 気を引き締めて、きちんとわたしが思うポイントをチェックしていった。
Tシャツに関しては、やっと見るべきところ、何を考えなくてはいけないかがわかってきた気がする。

フリースはやっぱりまだあとひといき。
このシーズンを越えれば、これを踏まえて、来年の今頃はたぶん大丈夫になってる気がするけれど。


ひとつ。
フィッティングは、ただ寸法確認やサイズ感の確認の場だけじゃない、ということを今日身を持って体験した。
「よりよい商品にしていくこと」はそれだけで成せることじゃないんだ、と知った。
今ある 実物を前にして、そこにどうやったら価値観を追加していけるか、
どうやったら「本物の洋服」にしていけるか、ありったけの自分の知識と経験を持って、考えて考えて形にしていくためのことでもあるんだ。
そのためのリサーチなんだ。
わかりつつあったけど、また一つ、得た。

ぱっとみて 正しいバランス、美しいバランスを判断し、指示できるようになるためにも、
たくさんの洋服を見、着てみなくては。
雑誌やネットで「形」の資料は集めることができるけど、サイズ感は実物を着て体感してみないといつまでたっても身に付かない。

ん??と思うバランスで上がってきても、そこで粘って、あるべき形に持っていってやって
「自分の商品」にしなくてはいけないんだ。

わたしの服には迷いが見える。
今日、すごくそう感じた。

絵ではかわいいような感じ、で、それが形になってあがってきてるんだけど、
洋服に対する知識の少なさのせいで、どこか「嘘もの」の洋服になってる感じ。
洋服のつもり、みたいな。
不思議な、どっちつかずのテイスト、みたいな。

今日はとても勉強になった。

わたしの子たちを、いいね、これ、と言ってもらえるものにがんばって仕上げていきたい。