くうきのいろ: 2010-01-04

2010-01-04

最後のお正月

たった4日。
されど4日。

「よい週末を〜」の30日の挨拶に、あぁ週末扱い程度のおやすみだなぁとちょっとしょんぼりなってたけど、やっぱり普通の週末とはちがった。

びよーんと間延びした時間がてれてれとろとろすぎていく。
特になにをするでもなく、ただあたたかな部屋でお父さんお母さんおばあちゃんと毛布で足をあっためながら過ごす。
メリーをもみくちゃにしながら。
お母さんが銀杏をストーブで炒って、全部きれいにむいてくれたのを食べながら、ときどき思い出したようにするトランプ。
きづくと毛布にくるまって寝ていたり。
4時半くらいからおいしい晩ごはんを食べてほかほかになってバイバイをして、大きくてこわいくらいの月と煌めく星を見ながらうちへ帰る。

三晩ともお父さんお母さんと晩酌をした。
96年もののコルクがもうかびてしまいそうになってる赤ワイン、酒屋さんでボトルの綺麗さで父さんが直感で選んだ白ワイン、おばあちゃんちの帰りに寄ったスーパーでお母さんと選んだスパークリングワイン。
毎晩ワインとおつまみをお盆いっぱいにお母さんが用意してくれて。
テレビの音を聞きながら、三人ともいつもより少し陽気にわらいながら。

なんにも特別な行事のないお正月。

でもすべての瞬間がいとおしく ゆるゆるからだに染み込んだ、素敵な素敵なお正月だった。


飛行機から見た、魔女の宅急便の景色みたいな夜景。
宝石がちりばめられて輝いているかのような景色。

あの光のなかの一粒が、うちの光なのかとおもう。
そこへ無事帰れるようにと見送ってくれたお父さんお母さんの無事を願い、ずいぶん遠くまで来てしまった自分を思い、哀しいような寂しいような想いと、すごいタイミングでとってくれた奇跡の一席のありがたさを噛み締める想いが入り混じって、ぽろぽろ涙が流れた。

いい おやすみだった。
ほんとうに。