それは黒い服の防御力の強さ。
と同時に色ものの弱さ。
わたしはどうしてもペールトーンにばかり目がいくし手にとってしまう。
クリーム色や杢ベージュ、コーラルピンクや淡いブルーグリーン。
それに、いろんな色が入った大柄の花柄。
流行り廃り関係なく 子どものころから ずっと。
でも 今の流れの中
特にいわゆる「業界」といわれる中では
圧倒的に色ものは弱者みたいだ。
ロンドンパリで
毎日わたしひとりだけが色だった。
他の人はみんな頭の先から爪先まで真っ黒だった。
ハイブランドの店が軒を連ねる通りを歩く人たちもみんな黒かった。
そんな中 歩くのは
正直すごく疲れた。
自分が幼稚にみえるようで、ウインドウに映る度 あぁ と場違いな思いがした。
モード=ブラックの根深さを思い知った。
実際 いっしょにいった人が「一目でモード関係者ってわかるよね。とりあえず黒着とけば安心だから。」と 横の人に言うのを聞いちゃったし。
黒を知らないからっていうのもあるんだろうけど、
それにしてもつまらなすぎるんじゃないかな。
安易だ、 とはまだ黒のおもしろさを知らないから 簡単には言っちゃいけないと思うけど、
この世界は色で満ちあふれてるのに その色をすくいとらないのはもったいない。
でも いやだいやだ ばっかりじゃ それもまたもったいない。
わたしも黒を一度体験してみないとな。
それとは別に やっぱりわたしは色がすきだ。
そこが 今のわたしの出発点なんだった。そういえば。